メンデルの法則は、3つの法則から成り立っています。
・第一法則:優劣の法則
・第二法則:分離の法則
・第三法則:独立の法則 |
メンデルが行った実験材料の中で、法則発見につながった材料はエンドウマメでした。
メンデルは、エンドウマメの形質を見極め、対立する特徴的な形質(表現型)に目をつけました。
・丸い形の種子と、しわの寄った種子
・背の高いものと、低いもの
・黄色の種子と、緑の種子
・紫の花と、白の花
・さやの形が、ふくれているものと、くびれているもの
・葉の付け根に花を咲かせるものと、茎の上部に集中して花を咲かせるもの
・緑色のさやと、黄色のさや |
といった具合です。メンデルはこれらの形質の純系を選び出すために、2年間をかけて交配を繰り返しました。
これで準備が完成し、ようやく本格的な交配実験が始まりました。
ある一組の対立する形質(もちろん純系)をかけあわせると、その子世代である雑種第一代では、
両親のいずれか一方の形質が必ずあらわれました。例えば、背の高いものと、低いものをかけあわせると、
すべて茎の背が高いエンドウマメが、丸い種子としわの種子をかけあわせると、すべて丸い種子のエンドウマメがあらわれたのです。
メンデルは、第一代であらわれた形質を「優性」かくれた形質を「劣性」とよびました。
すなわちこれが、第一法則、優劣の法則です。
続いて、第一世代をかけあわせた第二世代では、優性の形質と劣性の形質が3:1の割合であらわれました。
この結果からメンデルは、一組の対立形質は2種類の遺伝要素(Aとa)によって成ると考えました。
つまり、AAとAaは優性を、aaは劣性をあらわします。遺伝要素が分離され、受精児に無作為に組み合わさるという仕組みです。
これを、第二法則、分離の法則といいます。
第三法則、独立の法則とは、2組以上の対立形質の場合でも、それぞれの形質に関する遺伝要素は、互いに干渉することなく、
独立して子孫へと受け継がれるというものです。
メンデルの死後も埋もれていた研究成果は、1900年になって3人の学者が相次いで再発見することにより、脚光を浴びます。
その後、優劣、独立の二法則については、メンデルの法則にそぐわないケースが発見されました。
そのため、一般的な法則としては、分離の法則をもって、メンデルの法則とするのが、現在の考え方だそうです。
メンデルの先見性は遺伝形質が粒子によって形を変えることなく伝えられるという、後の遺伝子につながる考え方をしていたことです。
不遇の天才と彼の研究は、死後になって名声を得、現在まで続くこととなりました。
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