遺伝子=DNAというのは皆さんのなかでは常識として知らえられているだろう。しかし、メンデルの法則が3人の学者に再発見されたとき、実はそのことすらわかっていなかった。と言うより、わかるわけがなかった。染色体の存在を認めていなかったのは前述でも述べたが、この遺伝子ですら、その存在をうやむやにされていたのである。このことによりメンデルがいかに優秀で、不遇の天才と呼ばれていたのかが納得いただけると思う。
そんな不遇の天才、メンデルの法則についに光がさすときがやってくる。皆さんもこの名を覚えていてほしい。「トーマス・ハント・モーガン」。アメリカ、ケンタッキー州で生まれた生物学者である彼は、3人の研究者によって再発見されたメンデルの法則に強い興味を持ちました。そして、遺伝学の研究に没頭することになります。
まず彼は遺伝子というものが実質的に存在することを証明することから始めた。モーガンは、ショウジョウバエを用いた研究を行います。そして、染色体の一部に遺伝子が物質的に存在していることをつきとめ、見事にそれを証明してみせました。そればかりか、同じくショウジョウバエを使った研究で、ウォルター・サットンが唱えたメンデルの法則に従うとする「染色体説」をも証明してみせました。これにより、今まで誰にも証明することの出来なかった、遺伝子の存在、染色他の存在、そしてメンデルの法則をも証明し、世間に認めさせたのです。
これらの業績、研究成果が認められ1933年、トーマス・ハント・モーガンにノーベル生理学・医学賞を受賞し、メンデルの死後から約50余年もの長い歳月と、多くの学者の研究成果により、ようやくメンデルの法則は完成した。
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